ゾロの守るべき『約束』と信念のはじまり
しかし「約束」が守られることはないと知っているルフィは、ゾロが奪われた刀を取り返しに行きます。
図らずともモーガンの銅像を破壊してしまったものの、目的のメルヘッポを見つけます。
捕まえ、刀の場所を案内させます。
その騒動の隙にゾロを助けようとするコビー。
「あなたに捕まる理由はない筈です!!
ぼくはこんな海軍見てられない!!」
「ぼくはきっと正しい海兵になるんです!!
ルフィさんが海賊王になるように!!」
そのとき、ロープを解こうとしているコビーに向かって基地内から射撃が…。
幸いにも急所は外れ生きていたコビーですが、なおもまだ縄を解こうとします。
逃げろというゾロに、コビーは真実を告げます。
「助かりませんよ!!
あなたは三日後に処刑されるんです!!」
「何言ってやがる…!
おれはここで一か月 生きのびれば助けてやるとあのバカ息子が約束を…」
「そんな約束!!
初めから守る気なんてなかったんです」
約束を反故にして、罪なきゾロを裁こうとしている海軍が許せないコビーはこう続けます。
「お願いです!!
この縄を解いたらルフィさんを助けて下さい!!」
しかし縄を解ききる前に海兵たちが集まってきます。
銃口を突きつけられるコビーとゾロ。
絶体絶命の危機に、ゾロは守るべき『約束』を回想します。
(おれは…
こんな所で死ぬ訳にはいかねェんだ…………!!!
おれにはやらなきゃいけねェ事があるんだ!!!)
(約束したんだ………!!)
幼い頃のゾロは二刀流、”くいな”という幼馴染と剣を競っていました。
戦歴は0勝2000敗。
何度戦っても勝てません。
「おれは将来海に出て 世界一強い剣豪になるんだから
今から あんな奴に敗けてるわけにはいかねえんだよ!!!」
そして、その夜に真剣での勝負を挑みます。
結果は…敗北。
悔しいと泣くゾロに、くいなが本音を語ります。
「本当はさ…くやしいのは私の方…」
「女の子はね 大人になったら男の人より弱くなっちゃうの…」
「ゾロはいいね 男の子だから
…私だって世界一強くなりたいよ!!」
くいなの想いを聞いたゾロはこう遮ります。
「おれに勝っといてそんな泣き言言うなよ!!!
卑怯じゃねェかよ!! お前は おれの目標なんだぞ!!!」
「男だとか女だとか!!
おれが いつかお前に勝った時もそう言うのか 実力じゃねェみたいに!!!」
そして、くいなと「約束」します。
「約束しろよ!!!
いつか必ず おれかお前が世界一の剣豪になるんだ!!
どっちがなれるか競争するんだ!!!」
「……!! バカヤロー……!! 弱いクセにさ」
『約束だ』
しかし、翌日―――
くいなは家の階段で転び、そのまま亡くなります。
呆然とするゾロ。
それでも決心します。
「先生っ!! あいつの刀おれにくれよ!!」
「おれ あいつのぶんも強くなるから!!!
天国まで おれの名前が届くように
世界一強い剣豪になるからさ!!!!」
ゾロの命を賭けてまで守るべき『約束』。
彼が『約束』にこだわる理由がここにありました。