44話
三人のコック
次なる船員・コックを探すため海上レストラン「バラティエ」にやってきたルフィ一行。
到着すると、バラティエには海軍本部の船が停まっていました。
大尉・フルボディとヨサク&ジョニーの間でいざこざがありますが、基本的には海賊と事を構えるつもりはないようでしたが・・・。
海軍の船から大砲が撃ち込まれたため、ルフィは”ゴムゴムの風船”で対応します。
砲弾を撃ち返したのはよかったのですが・・・返った先は、海上レストラン・バラティエ。
ルフィはその損害の補填のため、店のオーナーから「1年間の雑用ただ働き」を突き付けられます。
一方、店では別のトラブルが・・・。
ルフィを攻撃してきたフルボディが、店員・サンジに因縁をつけます。
「おい!! この店はこんな虫入りのスープを客に出すのか?」
上手に受け流すサンジに対し、恥をかかされたフルボディが料理ごとテーブルを壊してしまいます。
サンジの目線は、拳の破壊力などではなく、残っていたスープへ。
「…………ちょっとあの虫を取り除けば飲めたんじゃねェのか?このスープは…!!」
フルボディは「こっちは金を払う”客”だ」と言って怒りをあらわにします。
それに対し、サンジは聞き返します。
「金ってのは…腹のたしになるのかい?」
フルボディをめった打ちに。
他のコックが割り込んできても、食べ物を粗末にすることが許せないサンジは全く引きません。
そこへ、フルボディに血相を変えた隊員から一つの報告が入ります。
「も…申し訳ありません!!船の檻から…逃げられました…!!!」
「海賊クリークの手下を逃がしてしまいました!! ”クリーク一味”の手がかりにと我々7人がかりでやっと捕まえたのに…!!!」
それに信じられないフルボディ。
なぜなら3日前に捕まえたときですら既に餓死寸前で、それ以降なにも食べさせてなかったからだと言います。
クリーク一味というと、この東の海で最強といわれる海賊団。
その船員が自由になり、レストランに乗り込んできたのです。
「何でもいい…メシを持って来い…ここはレストランだろう!?」
息も絶え絶えにそう伝えます。
しかしここは荒くれのコックが集うバラティエ。
コックのパティが声を掛けます。
「いらっしゃいませイカ野郎」
そして、代金を持っているか聞きます。
返事の代わりに銃を突きつけるクリーク団員に、金がないと判断するとたたき伏せました。
「代金払えねェんなら 客じゃねェじゃねぇか!!」
腹の虫を泣かせ、フラフラのクリーク団員を追い返します。
それを無言で見ているサンジ。
追い払ったコックに歓声が上がる中、外に追い出された空腹のクリーク団員・ギンに料理を持ってくるのでした。
「食え」
ガツガツと食べ始めるギンは、サンジに話しかけます。
「面目ねェ…!!」
「こんなにうめェメシ食ったのは…おれははじめてだ…!!!
………!!! 面目ねェ 面目ねェ!!
死ぬかと思った…!! もうダメかと思った…………!!!」
それを聞いたサンジは、口元を緩ませこう言います。
「クソうめェだろ」