「背中の傷は剣士の恥だ」

「背中の傷は剣士の恥だ」
ロロノア・ゾロ
第51話「”ロロノア・ゾロ海に散る”」

死に際に見せるゾロの剣士としての誇り

クリークがバラティエを奪おうと出撃したそと時、巨大ガレオン船が破壊されます。

しかも、斬られたと言います。

それを行った男を見つけたクリーク団員が叫びます。


「頭領クリーク!!!あの男です!!!
 我々の艦隊を潰した男!!!」

それを見たゾロ。

「まさか…あれが…鷹の目の男……!?」

コックたちが遠めに確認しても、巨大ガレオン船を破壊するような特別な武器は持っているように見えません。

そこへゼフが口を開きます。

「武器なら背中にしょってるじゃねェか!」


「そうさ………”鷹の目の男”とは大剣豪の名 奴は世界中の剣士の頂点に立つ男だ」


鷹の目の男・ミホーク

クリーク海賊団を狙う目的について問いただされ、「ヒマつぶし」と答えるミホーク。

ふざけるなと銃を放たれますが、銃弾を剣の切っ先でそっと変えて逸らしてしまいます。

「あんな優しい剣は見た事がねェ」

とゾロが言い、

「”柔”なき剣に強さなどない」

とミホークが答えます。

“世界最強”を前にして、ゾロはミホークに勝負を挑みます。

ミホークは断りはしないものの、“弱き者”と言い放ちます。

「いっぱしの剣士であれば剣を交えるでもなく おれのぬしの力の差を見抜けよう
 このおれに刃をつき立てる勇気はおのれの心力か…はたまた無知なるゆえか」


「おれの野望ゆえ そして親友との約束の為だ」

東の海で名を上げた”海賊狩りのゾロ”と世界最強の剣士。

その2人の戦いに一同が固唾を飲んで観戦します。

しかし、ミホークが戦いのために出した剣はおもちゃの小さな剣でした。

「オイ何のつもりだそりゃあ」


「おれはうさぎを狩るのに全力を出すバカなケモノとは違う 多少名を上げた剣士がいたところでここは”赤い土の大陸”と”偉大なる航路”により四つに区分される海の中でも最弱の海「イースト・ブルー」」
「あいにくこれ以下の刃物は持ちあわせていないのだ」

バカにされたゾロは怒りを持ってミホークに斬りかかります。

三刀流・鬼斬りを持って…!

しかし…

鬼斬りは初見で見切られ、おもちゃの剣でその動きを止められてしまいます。

(こんな………バカな事があるか………!!!)
(そんなわけねェよ…いくら何でもこんなに遠いわけねェ…!!! 世界がこんなに遠いハズはねェ!!!)

雄叫びとともにミホークに斬りかかるゾロ。

(……………この距離はねェだろう!! この遠さはねェだろう!!!)

荒々しい攻撃にミホークは呟きます。

「なんと凶暴な剣か…………」

おもちゃの剣に太刀打ちできないゾロですが、それでも攻撃を止めるわけにはいきません。

(こんな玩具にあしらわれるために…おれは今日まで剣を振ってきたわけじゃない!!!)

「おれは勝つために…………!!!」

「この男に勝つためだけに!!!」

その思いを剣に感じたのか、ミホークが口を開きます。

「何を背負う 強さの果てに何を望む 弱き者よ……」

ミホークの問いと”弱き者”という言葉に、ヨサクとジョニーが食って掛かります。

「アニキが弱ェだとこのバッテン野郎ォ!!!!」

それをルフィが制止します。

「やめろ手ェ出すなヨサク!!ジョニー!!!」
「ちゃんとガマンしろ…!!!」

何度も弾き飛ばされるゾロ。

そして大技・虎狩りを放ちますが・・・

ついにゾロの胸へとおもちゃの剣が刺しこまれます。

それでも、ゾロは後ろに下がりません。

なおも前に進もうとするゾロに、ミホークは問いかけます。

「このまま心臓を貫かれたいか なぜ退かん」

「さァね…わからねェ…ここを一歩でも退いちまったら何か大事な今までの誓いとか約束とか…いろんなモンがヘシ折れてもう二度とこの場所へ帰って来れねェような気がする」


「そう それが敗北だ」

それならなお退けない、死んだ方がマシだというゾロに強い心を感じたミホーク。

ゾロに名を聞き、ついにゾロを認めます。

「覚えておく 久しく見ぬ”強き者”よ」

そして、ついに黒刀を手にします。

ゾロは胸を貫かれ後がなく、最後の一合と覚悟します。

そして三刀流の奥義「三・千・世・界」で挑みますが・・・

結果は二本の刀を折られ、かなわないと心を決めます。

残った刀を鞘に納め、両手を広げミホークへと向き直ります。


「背中の傷は 剣士の恥だ」

最後まで剣士を貫くゾロに、ミホークは感服しながらも刀を振り下ろすのでした。

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