やっと戻った本当の笑顔と思い出
村ではアーロンの支配から解放されたことを祝う宴が開催されます。
いつものように食べまくるルフィですが、気になった”生ハムメロン”を探している途中になぜかベルメールの墓にやってきます。
そこにはゲンゾウがおり、亡きベルメールに報告していました。
「あまりにも多くの犠牲の上に立ってしまった だからこそ精一杯バカみたいにな…笑ってやろうと思うのだ…!!!」
不意の遭遇でしたが、ゲンゾウはルフィに一言だけ伝えます。
「……もし お前らがナミの笑顔を奪う様なことがあったら…私がお前を倒しにいくぞ!!!!」
ルフィはそんなことないと気にしませんでしたが、ゲンゾウの気迫に押されきちんと返事をします。
「わかったな!!!!」
「…… ……わかった」
一方、ナミは医者に入れ墨を消してもらっていました。
偽りとはいえアーロン一味であることの証である肩の刺青を。
「消える?」
「完全には無理じゃな 傷は多少残る 刺青っちゅうのはそういうモンじゃ」
「……うん 一生消せないのにね…」
思い出すのはノジコのことでした。
アーロン一味に入って村を救う決意をした10歳のナミですが、刺青についてノジコに話したことがあったのでした。
(刺青なんてこんなの誰にも見られたくない)
(私あいつらの仲間なんかじゃないのに……!! 海賊の烙印みたいでさ…!!!)
それを聞いたノジコはある日、刺青を掘ってきたのでした。
(どーってことないじゃんこんなの 飾りだもん ナミと一緒だね! ははははは)
そんなことを思い出しながら、ナミはドクターに依頼します。
「ねぇドクター 彫って欲しい刺青があるんだけど」
出発の日、ナミは挨拶もせず、村人たちの間を走り抜けていきます。
「まさかあいつ…我々に礼も言わせず 別れも言わずに行こうというのか!?」
「おい いいのか!? こんな別れ方させちまって」
サンジがルフィに言いますが、ルフィは言います。
「あいつの別れ方ぐらいあいつが決めりゃいいじゃん」
そしてそのまま船に乗り込むナミ。
しかし、ただ走り抜けただけではありませんでした。
「みんな元気でね♡」
元泥棒・ナミは村人たちのサイフを盗んでいたのでした。
涙の別れではなく、過去のいたずら娘として去っていくのでした。
「じゃあね みんな!!!! 行って来る!!!!」
そんなナミを見送るココヤシ村の人々。
そこでドクターが、ゲンゾウに向けてナミが彫っていった刺青のデザインを見せるのでした。
「”みかん”と”風車”だそうじゃ」
ゲンゾウの風車。
赤ん坊のころのナミがゲンゾウを怖がり泣きわめくのを何とかしようと、頭に風車を刺したみたのが最初でした。
それがきっかけで風車を刺した帽子をずっとつけていましたが、ナミが一人前に旅立つ日、もうゲンゾウはつけていません。
風車はベルメールとともにナミを見送ったのでした。