「一刻も早くナミさんの病気を治して そしてアラバスタへ!! それがこの船の”最高速度”でしょう!!?」

「一刻も早くナミさんの病気を治して そしてアラバスタへ!! それがこの船の”最高速度”でしょう!!?」
ビビ
第130話「”最高速度”」

100万の民を守るためにナミを救う道を選ぶビビの強さ

巨人島リトルガーデンを無事出発したルフィ達。

やっと本来の目的地であるアラバスタへ向かうことになります。

「これでやっと…アラバスタへ帰れるわね」

そう言うナミに対し、ビビは答えます。

「ええ…私はきっと帰らなきゃ……だって今 王国を救う方法は…」

そしてイガラムとの会話を思い出します。

(あなたの口から国民に直接真実を語るほかに この暴動を鎮める手立てはないのです!!!)
(だからあなたは決して死んではならない!!!)

(たとえ周りのどんな犠牲を払おうとも…人を裏切ろうとも生き延びる!!! ついらいことです…!!!)
(ビビ王女 死なない覚悟はおありですか?)

噛み締めるように言います。

「必ず生きてアラバスタへ………!!!」

改めて国を救う決意を固める中、ナミが高熱で倒れてしまいます。

「ナミさんが………!!! ひどい熱を………!!!!」

この船で医学を少しでも知っているのは、当のナミしかいません。

サンジも病人食を作ることはできますが、あくまで看護の領域だと言います。
治すための薬ではないのだと。

そう話している間にも、病状は悪化していきます。

「よ…40度!!? また熱が上がった…!!!」

アラバスタにも医者はいますが、少なくとも1週間以上はかかると言います。

「つらいに決まっているじゃない…!!! 40度の高熱なんて…!! そうそう出るもんじゃないわ!! もしかしたら命にかかわる病気かも知れない…!!!」

それを聞いて医者を探すようにというルフィですが、ナミが意識を取り戻し拒否します。

「………だめよ」

その理由は、心配させまいと隠していた新聞の報道でした。

アラバスタの暴動が激化しており、国王軍の兵士30万人が反乱軍に寝返ったというものでした。

「…とにかく今は予定通り…まっすぐアラバスタを目指しましょ」

ナミはそう言い、心配かけまいと気丈にふるまい出て行きます。

一方、ビビは新聞の内容にショックを受けていました。

このままでは戦争になり、阻止できなければ100万人の国民が傷つけあうというのです。

早くアラバスタへ帰らなくてはいけない。

その思いを強くするビビは、全員に声をかけます。

「みんなにお願いがあるの」

「船に乗せてもらっておいて…こんなこと言うのも何だけど 今 私の国は大変な事態に陥っていてとにかく先を急ぎたい」

「一刻の猶予も許されない!! だから」

「これからこの船を”最高速度”でアラバスタ王国へ進めてほしいの!!」

100万人の命を背負う王女。

その重圧は大きく、なんとしてでも早く国へ帰りたいという思いはとても強いのでした。

ナミは自分の村と重ねているのか、無理をしてでも進もうとします。

「……… 当然よ!約束したじゃない!!」

それに対して、サンジとルフィは言葉こそ出しませんが不満が残る様子。

でもビビの言葉には続きがありました。

「…だったらすぐに医者のいる島を探しましょう」

「一刻も早くナミさんの病気を治して そしてアラバスタへ!! それがこの船の”最高速度”でしょう!!?」

ビビはナミを見捨てるつもりなんてなかったのでした。

ナミも助けて、国も救う。
今できるすべてを尽くして船を進めることに決めたのでした。

それにはルフィも大賛成します。

「そお―――さっ!! それ以上スピードは出ねェ!!」

そしてサンジも。

「よく言ったビビちゃん!!! ホレ直したぜおれァ!!!」

実際に、直前にナミが指示して船の軌道をかえていなかったら、サイクロンに直撃して全員無事では済まなかったのでした。

最高速度でアラバスタへ。

医者を探すため船を進めます。

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