チョッパーの閉ざした心を開いたDr.ヒルルクの行動
青い鼻をもって生まれたトナカイ。
他とは異質であるがゆえに、生まれてすぐに群れとうまく共存できず苦しんでいました。
さらに、“ヒトヒトの実”を食べてしまったことで完全な異端となり、群れから追い出されてしまいます。
二足歩行し、遠目には大柄の人。
でも中身は子どものトナカイ。
群れから追いやられてしまった彼は、ヒトとして人里に下りていきます。
でも、そこでもバケモノ扱いされてしまいます。
何が悪いのかもわからず、誰にも受け入れられず、ついには”雪男”として銃で撃たれてしまいます。
傷だらけで雪山をさまよっているところに、“Dr.ヒルルク”と出会います。
Dr.ヒルルクはドラム国で数少ない医者。ただし、「ヤブ医者」として有名な。
そんな彼ですが、病人からは金をとらず、
「いずれ医学でこの国を救ってみせる!!」
という信念がありました。
傷だらけの”雪男”を見つけたヒルルクは、治療しようと近づきます。
人間から迫害を受け続けた彼は、ヒルルクの麻酔銃を見たことで殴り倒してしまいます。
「ウオオオ!!!!」
倒れ、血を流すヒルルク。
そして傷だらけのまま立ち去ろうとする彼に、ヒルルクは言います。
「………あの野郎が………フザけやがって……!!!
おれを誰だと思ってやがる……!!」
「おいっ!! 待て!!!」
声をかけられた”雪男”は怯えながら振り返ると…
そこには服を脱ぎ捨てたヒルルクが立っていました。
「おれは決して お前を撃たねェ!!!!」
凍える吹雪の中、何も身にまとわず両手を上げて叫びます。
「おれの名はDr.ヒルルク!!! 医者だ!!!!」
目が覚めたトナカイは、温かい部屋で寝かされていたことに気づきます。
近くでは警戒することもなく、いびきをかいて寝るヒルルクが。
さらに、お腹がすいているであろう彼のために、パンが置いてありました。
そのパンを一口。
彼の目からは、涙がポロポロと溢れ出てきました。