ヒルルクの願う奇跡とドクロという信念の象徴
ヒルルクとの生活にも馴染んできて、人の言葉を話せることを告白します。
黙っていたのは、嫌われると思ってから。
それを聞いたヒルルクは言い返します。
「喋れるからなんだチョッパー そんなこと自慢すんな
おれだって喋れるぜ お前よりはるかにペラペラとは」
相手に気にさせないヒルルクらしい良いセリフですね。
そして彼に”チョッパー”という名前を付けます。
「トニー・トニー・チョッパーだ
お前はトナカイで…木でも斬り倒せそうな立派な角を持ってる」
「いい名前だろ おれはおめェをそう呼ぶぜ…………!!」
名前をつけてもらい、チョッパーも喜びます。
ヒルルクは何かを研究しながらチョッパーに話をします。
「お互い苦労するよなァおい はみ出し者ってのは! …だが恨むなよ 人間を」
「!」
「この国は今”病気”なんだ 国民もそう 王も政府もそうだ…」
「人の心は今病んでいる ”病気の国”の治療などできるもんかと人は言うだろうがそれは違う」
そして遠い国の大泥棒の話を始めます。
重い心臓の病を患っていたが、泥棒のため金はたくさんある。
ありとあらゆる名医を訪ねて回り治療を受けたが・・・誰一人治せない不治の病だったと言います。
その男はついに死を宣告されますが、ある山で見た事もない、息をのむ程の美しい風景を目の当たりにしました。
それは、桜。
山いっぱいの鮮やかな桜でした。
その桜を見て、その男の体は健康体に戻ったと言います。
「これが”奇跡”…!!!」
「確かに”奇跡”だ!! だがそうじゃない!! これはりっぱな”医学”だ 感動によって男の体に何らかの変化がおきた」
「現に治らねェと言われた病が治ったんだ すごいだろう!?」
「つまりこの世に治せねェ病気なんてねェのさ!!
おれのことを誰がどう言おうとも おれはこの国を医者として救ってみせる!!」
そして、桜を舞わせたドクロの旗を見せます。まるで海賊旗のような。
「だから全ての病気におれはこの「ドクロ」をかかげたのだ!!!」
ドクロは信念の象徴だと言います。
「そうさコイツはな!! 不可能をものともしねェ ”信念”の象徴だ!!!」
しかし、このドクロのマークが後に悲劇を生むことになります・・・。