一国の王女と海賊。立場は違えど変わらないずっと仲間であることの絆
クロコダイルとの決戦前―――。
Mr.3の”マネマネの実”の能力を知ったゾロたちは、自分達だけがわかる目印を左腕に残すことにします。
「よし!とにかくこれから何が起こっても 左腕のこれが仲間の印だ」
そして、クロコダイルとの激戦―――。
クロコダイルを倒したルフィは、3日間眠り続け目を覚ましました。
宮殿では宴会が繰り広げられますが、その日の夜、ルフィ達はアラバスタを出港することに決めます。
ナミから伝えられ、ビビは驚き、悩みます。
“偉大なる航路”からとはいえ、今まで苦楽をともにしてきた仲間。
王女という立場でありながら、海賊であるルフィ達についていこうか迷っているのでした。
Mr.3であるボン・クレーから船を持っているという情報が入り、一味はそこへ向かうことになりビビは問いかけます。
「……ねぇみんな…
私……どうしたらいい……?」
迷うビビの気持ちを知っているナミは、1つの提案をしました。
船を取り戻した後、アルバーナに1度だけ船を寄せることにすると言います。
時間はおよそ「12時間」。
どちらを選ぶにしても、心を決める猶予を持たせることにしたのです。
ビビが一緒に来るのであれば、そのときに迎えに行くからと。
「あんたがもし…私達と旅を続けたいのなら
その一瞬だけが船に乗るチャンス!! その時は…歓迎するわ!! 海賊だけどね…………!!」
このまま復活したアラバスタの王女として生きるか、海賊になるか。
通常ならば起こりえない選択を迫られるビビ。
「……私が行くなら…あなたも行くわよね…
…ねぇカルー……………あなたは…どうしたい?」
翌朝、イガラムはビビが海賊になる夢を見ますが、ビビは今日の式典のために正装の準備をしていました。
一方、ルフィ達は海軍大佐”黒檻のヒナ”による「黒ヤリの陣」に苦しめられていました。
やっとのことで陣の一部を崩し、脱出できる状況になったもののルフィ達は進路を変えようとしません。
ビビとの約束の場所へ、約束の時間に行くために。
「仲間を迎えに行くんだ!!!」
それを聞いたボン・クレーは、友達(ダチ)のため命を賭けるルフィに感動し、囮を受け持ちます。
“黒檻のヒナ”から逃れたルフィ達は、ビビとの約束の岬に向かいます。
そして、宮殿では式典が始まります。
「少しだけ 冒険をしました」
「立志式」でスピーチするビビ。
そのスピーチの声はアルバーナ全土に響くようスピーカーで流れており、岬へ着いたルフィ達にも聞こえていました。
そして―――
約束の12時が過ぎました。
「来てねェわけねェだろ!!! 下りて探そう!! いるから!!!」
諦めきれないルフィ。
その時、岬から呼びかける声が聞こえます。
「みんなァ!!!」
歓喜する一行はすぐにビビの元へ向かおうとします。
しかし聞こえてきたのは次の言葉でした。
「お別れを!!! 言いに来たの!!!」
肉声は風にかき消されて聞こえません。
拡声器で話を続けるビビ。
「私…一緒には行けません!!! 今まで本当にありがとう!!!」
その言葉を聞くルフィ。
ビビはしっかりとした顔つきで続けます。
「冒険はまだしたいけど 私はやっぱりこの国を愛してるから!!!!
――だから行けません!!!」
ビビの想いを聞いたルフィは、納得して答えます。
「…… そうか!」
そこから、ビビは涙を零し問いかけます。
「私は―
…私は ここに残るけど……!!!」
「いつかまた会えたら!!! もう一度仲間と呼んでくれますか!!!?」
王女と海賊、立場は違えど苦楽を共にした仲間。
別れても変わらないことを願うビビ。
ルフィは返事しようとしますが、海軍がいることでナミに止められます。
関りがあることが知れるとビビが”罪人”になってしまうから。
返事がないことに涙するビビ。
しかし、その目に映ったのは左腕のあのマークでした。
(これから何が起こっても 左腕のこれが 仲間の印だ)
言葉が交わせなくても、互いに心が通じ合っていることがわかる名シーンでした。